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ゲームボーイブログ

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【レビュー】人間になりたいアンドロイド、NEUESのクリア感想

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幼いころ、画用紙に大きくなったらなりたいものを描きましょう。という時間にビーストウォーズのコンボイを描いたあの時、先生はどんな気持ちでわたしを見ていたのだろうか。

 

 

人間になりたい夢を持つアンドロイドの物語、NEUES(ノイエス)をプレイしました。

育成マルチノベルでなんとイベントがフルボイスで400種類。すごい。

 

 

ヒロインのアンは人間になれるよって告げられて、それを信じて人間になるのを夢見るアンドロイド。ぱっと見普通の女の子に見えますが時折アンドロイドだなと思わせる行動をとったりする。

アンドロイドと言えば機械なので感情が無いように思うが、アンは普通に悲しんだり喜んだりと感情表現がちゃんとできる。このゲームでは他にもアンドロイドが出てくるが、それらは世間一般にイメージするアンドロイド像そのまま。最初からアンは特別な存在なのだ。そしてアンはなぜかやたらと川に落ちる。かわいい。

 

そんなアンの周りには個性豊かな人々がたくさん。

アンを拾ったサイアス、旅をする吟遊詩人や宿屋の女将。図書館員にユニコーン。そんな人々と触れ合いながらアンが成長する姿を見届けるゲーム。

 

 

システム的には1週間のスケジュールを組み進行し、条件によって合間にイベントが入る。それによりアンのパラメータが変化する。これを1年ほど繰り返す。

大きなイベントが無い限り淡々と1週間を繰り返すだけなのでゲームとしての面白さは感じにくい。セーブポイントまではさくっと進むのでぼーっとプレイして気づいたら1時間くらい経っていたが、人によっては気だるく感じるかも。

 

予定を決めて

 

進行は画像がさし変わるのみ

 

たまに入るイベントはフルボイス

 

イベントを進めるたびにアンに何かしらの変化が見えてきて、なんだか我が子の成長を見守るような気持ちになる。子供いないけど。

アンは何か惹かれるものがあるとすぐに興味を持って、歌や作曲作詞と色々興味を持つ。わたしはそういうルートに行かなかったが、踊りや画家にも興味をもつと説明書に書いてある。サイアスはアンのしたい事を優先して陰ながら応援するタイプの人なので、アンがしたいこと全部に「いいよ」と返す。スケジュールにどれを組み込むのか悩むのはこっちなんだぞ。

 

エンディングでは1つを極めたアンの姿が見られる。おそらくやりたいこと全部のエンディングがあるはず。ちなみに最初のアンは超オンチだが、歌の練習させまくったらちゃんと上達する。やればできる子。

 

イベントのバックでちゃんと歌う

 

エンディングではアンの成長を見届けたことで、うちの子はこんなに立派に成長したかとじんわり。とはいえアンの成長以外は消化不良ぎみで終わったのでなんとも言えない気持ちに。後半唐突に大きなイベントが訪れるが、それの結末や関わった人の行方が何もわからず。アンの成長を見届けて物語は終了。

アンが人間になるためのきっかけを作るイベントなだけに、唐突に入り込んで消えていくのはもったいないと感じた。とはいえ400ものイベントがあるので単純に自分が見れていないだけかもしれない。後、イベントのフラグ管理のせいかビビるほど情緒不安定なキャラが爆誕する。読みたがってた本入ってきたよ、とほほ笑んだ次の週に本を手配する私の仕事を増やすな。アンドロイドのくせに。と豹変する図書館の女、お前だぞ。

 

 

残念ながらこのゲームはその膨大なイベントを見返したり、CGを集めたりする機能が知る限りない。どう考えても周回するしかないシステムなのに引き継ぎやギャラリーモードもないので他のエンディングは見れていない。ノベルゲームでこれはイタい。後から写真撮ろうと思ったのに

 

人生一度きり、わたしのアンは歌手という夢を掴んだのでこれで終わり、と決めて1周で終了。なんせ1週クリアに5時間はかかる。テキスト送り機能は未読既読お構いなしなので見てない奴を飛ばす可能性があり、つねに集中してテキストをチェックするのは、いかんせんしんどい。

 

 

不満点もあるがこの何とも言えないスローで独特な雰囲気はとても良く、アンドロイドの成長物語として素直に面白い。

 

 

そしてわたしは1年でやりたいことを極めたアンを見て精神に大ダメージを受けた。

 

タイトル:NEUES / プラットフォーム:PS / プレイ環境:PS2

 

PSソフトNEUESノイエス